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去年他界した友人の墓参りに行ってきました。
彼は細面のしゅっとした文学青年でしたが、お兄さんとは合わない、と 時折零していました。 確かに、お葬式で初めてお会いしたお兄さんは、無精髭を生やしてちょっといかつい、いわゆる「輩」な感じの方でした。 四十九日が過ぎた頃。 兄上「あいつが生まれたん何年やったっけ?」 奥様「19××年です」 兄上「まじで。間違えた」 という会話があったそうです。 見ると、手首の上に19×△-……みたいなタトゥーが。 奥様は「なんのつもりや!」と聞きたかったけれどまだ聞いていない、と 仰ってました。 弟の生まれ年を彫るのも「なんのつもりや!」ですし、それを間違えるのも 「なんのつもりや!」 非常に几帳面だった弟と、正反対で全く合わなかったけれど お兄さんなりに可愛いと思っていたのかも。 と思うとほっこりしますけれどね。 彼の書斎の本を持って行って、と言って頂きましたが 貴重過ぎて、そして書斎全体が彼の作品のような気がして、 一冊も持って来られませんでした。 高尚な本の奥の棚に、何故かしりあがり寿。 分類しかけて途中の、床積みの雑誌。 特に古い本のコーナーに、無造作に置かれた白い手袋。 綺麗な貝殻や、アンティークの器や、樹脂に虫を閉じ込めた文鎮。 何一つ、手を付ける事は出来ない。 彼の趣味が詰まったあの小宇宙に行けば、また彼に会える気がします。 幸いにも奥様は「別に邪魔ではない」と仰っていたので また行かせて貰おう。 PR |
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